みなさんこんにちは、異年齢保育がやりたい保育士ぽとす(@potosu_hoiku)です。
突然ですが、みなさんは以下の保育メソッドをきいたことありますか?
モンテッソーリ教育
ピラミッドメソッド
ヨコミネ式
シュタイナー教育
レッジョ・エミリア教育
ピグマリオン
さくらさくらんぼ保育
おそらく、どこかできいたことがあると言う保育士の方がほとんどではないでしょうか。
でも、これらのメソッドって、具体的にどんなことをしているのかって意外と知らないですよね。
ですが、これらの保育メソッドを調べていくと、こどもにとって必要な力をのばすことができる、非常に大事なものであることが分かりました。
今回はそんな、保育士なら知っておきたい保育メソッドについて紹介していきたいと思います。
モンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は、イタリアの幼児教育者、マリア・モンテッソーリによって考案された教育方法です。
引用元:日本モンテッソーリ教育綜合研究所
もともとは障がい児のための教育でしたが、やがてすべてのこどもに行う教育方法へと発展していきました。
この教育の基本的な考え方は、「こどもは生まれたときから、知的好奇心が強くあり、適切な環境を与えれば自発的に学び始める」というものです。
この「自発的に学び始める」ための援助をすることこそが、モンテッソーリ教育なのです。
モンテッソーリ教育の具体的な内容
モンテッソーリ教具
モンテッソーリ教育の特徴として、「モンテッソーリ教具」と呼ばれる、教材を用いて進められる点があります。
例えば、ピンクタワーと呼ばれる教具があります。
これは、大きさが異なる10個の立方体からなる教具で、この立方体を積み上げて塔を作ったりして遊びます。
この教具により、量の大きさや数の概念といった能力を身につけることができます。
この他にも、円柱さしや赤い棒など様々な教具があります。
いずれの教具も、こどもが発達段階に合わせ与えられ、自発的に学び始めるという目的に向けて作られていることが分かります。
ピンクタワーを行っている様子
日常生活の練習
モンテッソーリ教育の重視している活動の一つに、日常生活の練習というものがあります。
これは、水を移す、ものを移動する、アイロンをかける、掃き掃除をするといった、生活を送る上での行動を練習するものです。
以下は、水を移すという、日常生活の練習です。
引用元:吉原聖母幼稚園
モンテッソーリ教育を行っている保育園
うめだ「子供の家」
モンテッソーリ教育を行っている保育園・幼稚園は100以上存在します。
その一つが、うめだ「子供の家」です。
引用元:うめだ「子供の家」
東京都足立区にあるこの園では、キリスト教の精神に基づき、モンテッソーリ教育を行っています。
以下の活動は、リング差しの活動の場面です。
引用元:うめだ「子供の家」
ピラミッドメソッド
ピラミッドメソッドとは
ピラミッドメソッドとは、オランダ政府による教育機構Citoが開発した幼児教育法です。
この教育方法は、ピアジェ・ヴィゴツキー理論などをベースに開発され、現在はオランダ、ドイツ、アメリカ、そして日本で導入されています。
この教育の基本的な考えは、「自分で選択し、決断できる力を養う」という考えです。
ますます多様で複雑となっていく現代社会で生きるこどもたちにとって、非常に重要な考え方ですね!
ピラミッドメソッドの具体的な内容
サークルタイム
ピラミッドメソッドでは、朝と帰りの時間帯に、子どもたちと保育者が円形に座りお話をする時間があります。
円形に座ることにより、全員の顔を見ながらお話ができ、保育士がこどもを指導するという上下関係から、保育士も大人も身近な仲間という横関係になるメリットがあります。
この時間でこどもの話をきいたり、活動のお話をしたりします。
引用元:かんらんこども園
プランニングボード
これは、その日に用意されてある遊びの写真やイラストなどが一覧で貼り出されており、こどもがやりたい遊びを自分で選択して、自分の名前をそのボードに貼っていきくものです。
こうすることで、ピラミッドメソッドの目的である、選択力・決断力を養う力を養います。
引用元:五ヶ荘保育園
また、このボードにより自然と遊びやすい人数にすることができ、落ち着いて遊ぶことができるメリットもあります。
ただ選択させるだけでなく、こどもが「自分で考えて、この遊びを選ぶ」という意識をすることができる点がポイントです。
ピラミッドメソッドを行っている保育園
五ヶ荘保育園
大阪府堺市にある、五ヶ荘保育園では、ピラミッドメソッドをもとに保育を行っています。
引用元:みんなの仕事場
開放的で、光がやわらかく差し込んでくるような温かみのある保育室が特徴的で、温かみのある保育が行われることが想像できます。
引用元:みんなの仕事場
このような雰囲気のもと、プロジェクト活動やサークルタイムなど、ピラミッドメソッドを導入することで、「自分で選択し、決断できる力を養う」ことを目指しています。
ヨコミネ式
ヨコミネ式とは
ヨコミネ式とは、鹿児島県で保育園を運営する横峯吉文氏が、こどもの「自立」を育てるための教育方法です。
引用元:MiRAKUU ぷれみあむ
この力として、読み書き計算の「学ぶ力」、運動神経と体力を育てる「体の力」、他人を思いやる気持ちを持つ「心の力」、この3つの力を育てることにより、こどもの自立の力を養っていきます。
ヨコミネ式の具体的な内容
逆立ち歩き
「体の力」を鍛えることの一つとして、ヨコミネ式では逆立ち歩きの練習を行っています。
逆立ちできる子なんて一部の子だけ、と思われるかもしれませんが、ヨコミネ式の保育園や幼稚園に通うこどもの多くは、逆立ち歩きをマスターしているようです。
引用元:こそだてハック
ヨコミネ式95音
みなさんは、ひらがなやカタカナをどのように覚えましたか?
普通は、ひらがなあ行から、あ・い・う……それが終わったら、カタカナのア・イ・ウ……というように50音順で覚えてきたのではないでしょうか。
しかし、この順番では、簡単な形の文字(例「ニ」)よりも、複雑な形の文字(例「あ」)をさきに覚えなければならない、というデメリットがあります。
そこで考えられたのが、ヨコミネ式95音です。
この表では、画数が少なく直線が多い文字の順番から文字を覚える事ができます。
引用元:ベリーグッド!
このやり方なら、簡単な文字から覚えられるので、ドンドン文字を書くことができますね!
ヨコミネ式を行っている保育園
港南はるかぜ保育園
神奈川県横浜にある、港南はるかぜ保育園では、ヨコミネ式を取り入れた保育を行っています。
園庭全体に人工芝を敷くなど、恵まれた園庭環境があり、のびのびと活動することができます。
引用元:港南はるかぜ保育園
こちらの動画は、この園で行われているブリッジの練習です。
多くの子供達がブリッジを成功させている姿は、すごいとしかいいようがありませんね!
シュタイナー教育
シュタイナー教育とは
シュタイナー教育とは、オーストリア出身の哲学者であるルドルフ・シュタイナーによって提唱された教育方法です。
引用元:WALEDA
この教育方法では、一人ひとり個人の持つ能力を最大限に引き出すことを目的としています。
そのために、人間の成長を7年周期で分け、発達段階に分けて、「からだ」「こころ」「あたま」を育てる教育を行っています。
1919年にドイツに設立された「自由ヴァルドルフ学校」がシュタイナー教育の始まりとなり、その後世界60カ国以上に1000校を超えるまで広がっています。
シュタイナー教育の具体的な内容
ライゲン
シュタイナー教育独自の活動として、ライゲンというものがあります。
これは、ドイツ語で「輪になって踊る」という意味で普通の保育園で言う「リズム遊び」に似たようなものです。
季節に合わせてた歌や詩をみんなでうたいながら、歩いたり、ジャンプしたりといった動きをします。
引用元:たんぽぽこどもの園
お山の積み木
シュタイナー教育では、こどもたちの素朴な感性をそだてるため、できるだけ自然に近く、単純なおもちゃが使われています。
その一つが、お山の積み木とよばれるものです。
通常の積み木のように規格化、着色されたものではなく、できるだけ自然の木に近い形の積み木となっています。
形が決まっていないからこそ、想像力を豊かにできるとされています。
シュタイナー教育を行っている保育園
シュタイナー浦和保育園
引用元:シュタイナー浦和保育園
埼玉県さいたま市にあるシュタイナー浦和保育園では、シュタイナー教育を行っています。
伝統的な日本家屋を利用していることもあり、非常に家庭的な雰囲気で保育が行われています。
自然豊かな園庭で遊んだり、畳の中でお洗濯物をしたりと、日々の生活を丁寧に送ることで、健やかな「からだ」が育っていく様子がみられます。
レッジョ・エミリア教育
レッジョ・エミリア教育とは
レッジョ・エミリア教育とは、イタリアにあるレッジョ・エミリア市で誕生した、教育家ローリス・マラグッツィにより作られた教育メソッドです。
引用元:こどもアート
これは、マラグッツィによる「100の言葉」を教育理念とし、こどもたちの言葉や表現・コミュニケーションを尊重し、伸ばしていくという方法です。
大切にしている考えとして、「社会性」、「時間」、「権利」の3つのポイントがあります。
レッジョ・エミリア教育の具体的な内容
ドキュメンテーション
レッジョ・エミリア教育といえば、ドキュメンテーションと言われるほど、この教育に重要なものです。
これは、こどもたちの活動する様子を写真や動画などで記録し、誰にでも見られる場所に展示するといったものです。
引用元:羅臼町立春松幼稚園
ただの活動記録ではなく、こどもの探究活動の経過記録として作られ、その子がどのようなことを言ったか、どのように活動が広がったかが詳細に記録されている点がポイントです。
プロジェクト
これは、一つのテーマを数ヶ月から一年にわたりこども・保育士・保護者で掘り下げていく活動のことです。
このテーマは様々で、例えばプロジェクト活動を行っている北見幼稚園では「光と影」、「石で遊ぶ」、「種」などのテーマで活動を行っています。
このとき、保育士はこどもに対し、ただ指示をするのではなく、対等な立場で話し合いを行い、それを保護者とともに共有するという、横の関係になっています。
レッジョ・エミリア教育を行っている保育園
まちの保育園 小竹向原
引用元:あしたのコミュニティーラボ
まちの保育園 小竹向原は、東京都の小竹向原駅に位置する保育園です。
開園から10年と比較的新しい保育園ですが、ガラス張りで開放的な園内や、ベーカリーカフェが併設されているなど、ユニークな取り組みを行っています。
この園では、レッジョ・エミリア教育が導入されていて、プロフェクト活動やドキュメンテーションが行われています。
ただ、レッジョ・エミリア教育をそのまま行っているのではないのもこの園の特徴です。
レッジョのインスピレーションを受けながら、日本の文化や地域の文化に合わせ柔軟に保育活動を行っています。
ピグマリオンメソッド
ピグマリオンメソッドとは
ピグマリオンとは、幼児教育家の伊藤恭氏が開発した、幼児向けの英才教育方法です。
引用元:ピグマリオンぷち
こどもが自発的に学べるように開発された教材を用いて、数論理能力や言語能力を伸ばしていきます。
この教育を受けたこどもの中には、5歳で2桁の計算ができるなどの子もいるそうです。
ピグマリオンの具体的な内容
ドット棒
1・10・100・1000の位の数について、単なる数字ではなく、数量として見て感じるために作られた教材です。
引用元:かいせい保育園
この教材を使うことにより、足し算・引き算・倍数といった概念を、視覚的に理解することができます。
ヌマーカステン
数を数えるのではなく、5進法を用いて、20までの足し算・引き算をできるようにするための教材です。
引用元:かいせい保育園
この教材を使うことにより、数の計算を具体的にイメージすることができ、これが暗算力を鍛えることに繋がります。
ピグマリオンを行っている保育園
かいせい保育園
引用元:かいせい保育園
かいせい保育園は、進学指導を行う開成教育グループが運営する保育園です。
幼児英才教育「ピグマリオンメソッド」の創設者、伊藤恭氏が、保育園向けにアレンジして、ピグマリオンを行っています。
ドット棒やヌマーカステンはもちろん、天地パズルやペリカンパズルなど、大人でも楽しめるような教材が満載で、こどもが「自発的に学べる」ように作られています
さくらさくらんぼ保育
さくらさくらんぼ保育とは
さくらさくらんぼ保育とは、幼児保育者斎藤公子氏が埼玉県深谷の保育所で行われた保育をもとにした教育方法です。
引用元: Kフリーダム
この教育方法では、こどもの全面発達、「豊かな感性・あふれる意欲・仲間を思いやる気持ち」を育てることを目標にしています。
さくらさくらんぼ保育の具体的な内容
リズム遊び
さくらさくらんぼ保育のリズム遊びは、ただのリズム遊びではありません。
人間の運動神経と感覚神経の発達に合わせ、手足・腕・首といった、全身の筋肉をまんべんなく使えるように考えられています。
このようにきくと、難しいと感じるかもしれませんが、「金魚」、「汽車」、「あひる」といった、こどもたちに親しみやすい内容となっています。
描画
さくらさくらんぼ保育では、描画を行う際、こどもに自由に描かせます。
これは、保育者が一切指示も指導もせず、描かせるということです。
そして、この絵を丁寧に読み取ります。
ただ絵を描かせて終わりではなく、その絵を見て、その子が感じていること、発達段階、こどもとの関係性を保育者は読み取ります。
そうして分析することにより、その子の気持ちを知ることができる、ということがさくらさくらんぼ保育の考えです。
このような描画を行うと、非常に自由で生き生きとした絵を描くこどもの姿も見られます。
以下の絵は、さくらさくらんぼ保育を実践している保育園に通っているこどもが描いたものです。
引用元:Kフリーダム
さくらさくらんぼ保育を行っている保育園
さくらんぼ保育園
引用元:深谷ねぎっこブログ
この保育園は、まさにさくらさくらんぼ保育が生み出された保育園です。
埼玉県深谷にあるこの園は、とにかく広い園庭と自然豊かな環境が目を引きます!
中ではひつじやにわとりを飼っていて、こどもたちがお世話をしているそうです。
引用元:深谷ねぎっこブログ
おわりに
さまざまな保育メソッドがありましたね!
私自身、まだまだこれらの保育メソッドを勉強中なのですが、この記事を読んで、なんとなく保育メソッドってこんな感じなんだ~という雰囲気を感じていただければ嬉しいです!
このブログでは、これからもどんどん深く保育メソッドを掘り下げていこうと思います!
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