みなさんこんにちは、いつも穏やかな気持ちで保育をしたい、保育士ぽとすです。
さて、子育てでも、保育でも、こどもについつい怒ってしまうときってありませんか?私はあります。
私は1歳児クラスの担任なのですが、みそ汁をこぼしたり、クレヨンで壁を描きまくったり、お着替えのときにめちゃくちゃ泣き出したり……そんなとき、やはりイラッとしてしまいます。
ですが、こどもに怒っても、お互いに嫌な気持ちになり、問題が解決することは少ないです。
それでは、どうすれば怒りを鎮め、冷静な対応を取ることができるのでしょうか。
私がいろいろ調べた中で、アンガーマネジメントという技術に出会いました。
これは、怒りをコントロールする技術して知られ、企業の研修などでも教えられているほどです。
そして、私自身が実際に試した中でも、非常に効果があると感じました。
今回はそんな、こどもに怒ってしまう人に対して、怒りを鎮める具体的な方法を紹介して行きたいと思います。
ストップシンキング……頭を空っぽにしよう!
1歳児さんとごはんを食べていると、いろいろな事が起きます。
食べ物をこぼすなんて日常茶飯事、スプーンを投げたり、みそ汁をこぼしたり、歩き回ったりといったことがよく起きます。
そうしたとき、ついつい怒ってしまうことはないでしょうか?
いかがでしょうか……保育者としては、ダメという言葉を使いたくはないですし、こどもを泣かせたい気持ちも全くありません
しかし、ついついみそ汁をこぼしたことに対し、カッとなってしまう自分がいたのです。
こんなときに役立つのが、ストップシンキングという方法です。
これは、怒りそうになったとき、こころのなかで(ストップ!)といい、すべての思考を止める方法です。
このときのポイントは、相手をどう叱ろうとか、後片付けをどうしようとか、例外なく全ての思考を止めることです。
先ほどの場面で、ストップシンキングを使ってみると、こんな感じになります。
どうですか? 心のなかで、(ストップ!)と言うことにより、反射的に怒ることを防ぎ、その後に冷静な対応を取ることができます。
ディレイテクニック……怒りへの反応を遅らせよう!
さて、先程はストップシンキングという方法を紹介しましたが、このように怒りへの反応を遅らせるテクニックをディレイテクニックと言います。
この遅らせるテクニックはストップと唱える他にも、深呼吸をするといった方法もあります。
何も考えずに深呼吸をすることにより、瞬間的に怒ることを防ぐことができます。
他にも、「100、97、94、91……」といったように、頭の中で100から3ずつ数字を引いていくことで、落ち着かせるという方法があります。
コーピングマントラ……魔法の呪文を唱えよう!
さて、ここではすぐに怒ってしまう方へ、魔法の呪文を教えていきたいと思います。
魔法の呪文といっても、難しいことはありません。
自分自身を落ち着かせたり、勇気づけるような言葉をあらかじめ用意しておき、自分に言い聞かせるのです。これを、対処(コーピング)の呪文(マントラ)という意味で、コーピングマントラといいます。
例えば、先程のみそ汁をこぼしてしまう場面では、
「1歳児なんだから仕方がない」
「こぼれてもすぐにふけばいいさ」
「食事の仕方を今は覚えている最中なんだ」
「怒っても状況は悪化するだけ」
「こどもはこぼすのが仕事」
このような言葉をあらかじめ考え、そのことが怒った瞬間にこの呪文を唱えるのです。
このように、コーピングマントラを唱えることで、心に余裕が生まれ、上手に怒りを鎮めることができるのです。
また、このコーピングマントラは、言葉である必要はありません。
例えば、右手でグーパーと握ったり開いたりしたり、人差し指でこめかみを叩く、といった、ジェスチャーを決めておき、起こりそうになった瞬間にそのジェスチャーをする、といったことも大事です。
グラウンディング……思考を釘付けにしよう!
保育中や子育てをしているとき、イライラして仕方がない瞬間って、ありませんか?
こどもに大事な書類を破られてしまった、先輩に保育のことで理不尽に怒られた、家族にこどものしつけについて、あれこれ言われた……
そんなとき、頭の中ではイライラが充満して、どうやって怒りを晴らそうかばかりを考えてしまい、時にはこどもにあたってしまうこともありませんか?
このとき、あなたの意識は「過去」「怒られた場所」にばかり意識が行ってしまい、目の前のことに集中ができていない状況になっています。
こういう場合に有効なテクニックは、グラウンディングと呼ばれます。
これは、地に足をつける、という意味で、自分の意識を「いま」「この場所」に集中させるためのテクニックです。
実際にやってみるとこんな感じになります
このように、目の前のボールペンに対し、集中して観察することにより、自分の意識を「いま」「この場所」に戻すのです。
今回はボールペンに対して行いましたが、別にボールペンでなくても構いません。
バックでも、ノートでも、おもちゃでも、観葉植物でも、とにかく目の前にあるものであればなんでもいいのです。
タイムアウト……いったんその場を離れよう!
ここまで、怒りを抑える方法として、ストップシンキング、ディレイテクニック、コーピングマントラ、グラウンディングと、4つの方法を紹介しました。
ですが、このテクニックを使っても、どうしても怒りを抑えられないときがあります。
そんなときにおすすめしたい方法が、タイムアウトです。
これは、怒っている場所からしばらく離れ、頭を冷やすという方法です。
ここで注意したいのが、黙って出ていってしまったり、暴言を吐いてから部屋を出てしまう……という、自分勝手な行動とは違う、ということです。
タイムアウトは、対話の「退却戦術」と位置づけられ、テクニックの一つです。
そのためには、ルールがあります。それは、自分がタイムアウトをすることを相手に伝え、一定時間立ったら戻ってくることを伝え、戻ってきたらまた話す……という方法です。
これは、対話で有効なテクニックです。
このように使ってみましょう。
カリキュラム会議
10分後……
こんな感じで、タイムアウトを使うと効果的です。
保育の会議だけでなく、家族同士の話し合い、こどもとの約束の取り決め、同僚とのうちあわせなど、対話が成り立たないほど怒ってしまう、という場合にタイムアウトは効果的です。
おわりに
保育や子育てをしているときって、どうしても怒りを鎮めることが難しいときがありますよね。
そんなとき、私の記事のテクニックを参考にして、少しでも怒りを鎮め、より楽しく、より明るくこどもと接する事ができたらうれしいです!
参考本
私がこのテクニックを知ったのは、アンガーマネジメント入門、という本からです。
この本は、このような具体的なテクニックはもちろん、なぜ怒ってしまうのか、どうすれば怒りに対処できるようになるのか、怒りに振り回されず、ストレスフリーに過ごす方法など、怒りをコントロールする方法について、詳細に解説されています。
私も、怒ってしまうことが多く、どうにかしたいという思いからこの本を読んだのですが、本当に参考になる内容ばかりで、今でも使っているテクニックも何個もあります。