みなさんこんにちは、帰宅してからのんびりする時間が大好きな保育士ぽとす(@potosu_hoiku)です。
保育士をしていると、よく聞かれる質問の一つに、「サービス残業があるの?」というものがあります。
ぶっちゃけます、私の園にはサービス残業があります。
それも、行事前や人が足りない時期だけではなく、ほぼ毎日サービス残業があると言っていいでしょう。
私はまだ1年目なので、任せられる仕事が少なく、あまり長時間は残ることはありませんが、それでもサービス残業をすることが普通にあります。
正直、サービス残業をしたくありませんし、したいとは思っている人はいないでしょう。
しかし、サービス残業がなくなることはありません。
ほとんど毎日のように、サービス残業をしている職員がいます。
私のクラスリーダーは、ほぼ毎日、1時間以上サービス残業をしています。
なぜ、サービス残業がなくならないのでしょうか。
この保育園で働き始めて5ヶ月、常勤として働いている中で、その原因が少しずつ分かってきました。
一般論ではなく、現実として、外部の人ではなく、実際に働く保育士として働くからこそ、その原因が分かってきました。
今回はそんな、私の保育園でサービス残業が当たり前になっている理由を考えてみました。
あくまでこの問題は私の保育園の問題であり、全ての保育園がこのような問題を抱えているわけではありません。
構造的な問題
タイムカードがなく勤務時間が自己申告
一般的な会社で働いている人にこの話をすると驚かれるのですが、私の園にはタイムカードがありません。
それでは、どのような時間を管理しているのかというと、このような出勤簿と呼ばれる紙に、自分の働いた時間を記入して印鑑を押し、働いた時間を管理しています。
この出勤簿に基づいて、給料をもらっています。
そしてこの時間、実際に働いた時間ではなく、定時の時間しか書くことができない仕組みになっています。
例えば、8時から17時までの勤務で、実際には17時30分まで働いたとしましょう。
そのとき、本来であれば8時~17時30分までと出勤簿に記入すべきなのですが、定時を超える分の記入はできないため、30分働いたことはなかったこととし、8時~17時までと記入しなければなりません。
このような仕組みのため、いくら残業しても記録されず、残業代がもらえないという結果になっています。
残業が認められる仕事のハードルが高い
私の園では、一応残業代が出る残業も存在します。
ただこれは、管理職が認めた場合に限ります。
行事前や時間外の会議など、どうしても必要なときに限り、管理職が残業を認め、残業代が支払われる仕組みになっています。
ただ、このどうしても必要なとき、という場合は、あらかじめ残業の仕事となると分かっている場合に限り認められ、日々の仕事や保護者対応などで残業をしても、残業代が出ることはありません。
作業時間が不定期
保育士の仕事は、こどもと遊んでいるイメージが強いかもしれませんが、それ以外の仕事も多く存在します。
行事以外の日常業務でもこんな感じです。
連絡ノート記入、こどもの出欠記録、おたより作成、こどもの写真整理、日案作成、個別カリキュラム作成、制作準備、誕生日カード作成、ヒヤリハット報告書、事故報告書……
さて、これだけの事務作業に当たられる時間はどのくらいあると思いますか?
その答えは、こどもと接していない時間です。
具体的に言えば、お昼寝中、こどもの人数が少ないときなど、人手に余裕があるときに事務作業をすることができます。
逆に言えば、人手に余裕がないときには、一切作業をすることができません。
そのため、お昼寝中こどもが起きてしまったり、他の担任が休んでしまったなどの状況になってしまうと、勤務時間中に作業を一切できないときもあります。
そして、勤務時間中に作業時間がなく、作業が残っている場合はどうすればいいのでしょうか?
簡単です、勤務時間外にやるのです。
勤務時間=こどもと接している時間という考え
前述したように、保育者の仕事はこどもと遊ぶ以外にもさまざまな事務作業が存在します。
そのため、本来であれば勤務時間内に作業時間を確保できるようにしなければなりません。
ですが、保育園の勤務時間は、こどもと接している時間を前提に考えられ、保育士のシフトを回しています。
これは、8時から17時の勤務であれば、その時間帯はずっとクラスにいなければならないということです。
そして、職員の配置基準はギリギリであるため、多くの子どもが休んだりしない限り、保育士がクラスの外に出ることはできません。
雰囲気な問題
自主的に仕事しているという管理職の言い分
主任と雑談をしていたとき、残業の話になりました。
いかがでしょうか?
断っておくと、先輩が残っているのは、遊んでいるとか、ダラダラしているためではなく、日案や個別カリキュラムを作ったり、個別案を書いていたりするためです。
もちろん、そのことを主任が知らないわけはありません。
しかし、主任は自主的にやっている、と言ったのです。
先輩が仕事をしている中帰りづらい雰囲気
どんな仕事でもそうですが、先輩が仕事をしている中帰るのはなかなか難しいです。
特に、私が担任している一歳児クラスは、複数担任であるため、その中で帰るのは結構勇気がいります。
ましてや、私は1年目であるため、クラスの中で誰よりも後輩、そんなとき、そのまま帰るのは、非常に難しいです。
結果、保育室を出る時間でさえ、時間ぴったりに上がることはまずありません。
そして、保育室を出た後も、終わらせなければならない作業があるのです。
持ち帰り仕事が当たり前の雰囲気
私も当然ながら作業が割り当てられています。
そして、それはこんな感じです
このように、家で仕事をすることを前提に仕事を振られることがあります。そして、当然ながら、そのお金は発生しません。
たまにならよいのですが、指導案や日案といった、日々の作業もこのように振られると、大変です。
常勤は残るのが当たり前の雰囲気
私の保育園には、常勤の職員と非常勤の職員がいます。
常勤……毎日8時間フルタイムで働く職員、月給
非常勤……週に何日か、1日に4~6時間程度決められた時間働く職員、時給
そして、常勤は非常勤よりも、時間外で働くことが求められる雰囲気があります。
先輩の考えは、常勤は定額働かせ放題といっても、過言ではありません。
もちろん、法律的に言えば、常勤だろうが、非常勤だろうが、定時を超えれば残業代が支払われなければなりません。
ですが、残念ながらこのような考え方は、私の保育園では普通の考え方になっています。
体育会的な雰囲気
保育園は非常に体育会系の雰囲気があると感じます。
それは、経験年数が多い保育士が偉く、先輩保育士の決めたことには従わなければならない、ということです。
特に、乳児クラスはチームで保育をすることが基本となるため、リーダーさんの方針が絶対という雰囲気を感じます。
チームで保育をするという同調圧力
私は1歳児クラスなので、複数担任でクラスを運営しています。
だいたい、非常勤さんもあわせると、4~5人でこどもを見ています。
そのため、私のクラスでは、「チームで保育をする」という雰囲気が非常に強いです。
この事自体は悪くないのですが、これが強くなると、サービス残業を生むことがあります。
もちろん、保育をチームでやる、という考えは大事だと思っています。
ただ、それが同調圧力になってしまうと、このようにサービス残業につながってしまいます。
おわりに
いかがでしたか?
これを見ている人の中には、もっとつらい保育園で働いている人もいるかも知れません。
正直、私の園はまだ恵まれている点があるかもしれません。
ですが、保育士であっても、一人の人間です。
おかしいことは、おかしいと言いたい、このような思いからこの記事を書きました。
これだけ書くと、そんな園は辞めてしまえばいいじゃないかと思うかもしれません。
私も、辞めることを考えたことは何回かありました。
それでも、私はこの園の保育が好きですし、こどもたちはかわいいです。
まだ、私は続けていこうと思っています。
今私にできることは、こうして声を上げること、この事実を知ってもらうこと、こんな現実で苦しんでいる保育士さんと仲間になることです。
これから私の保育園は変わるのでしょうか?